6月半ば、ようやく待ちに待った下地材が届き壁画制作スタート。用意してもらった足場を左右に動かしながらまず全体に塗装する。

 



 

 

下地材を1日乾かしてベースカラーを全体に置く。色を置くとようやく自分の作品をここに描くんだと実感が湧いた。

1年振りのヘルメット命綱スタイル。綾川町で壁画を描いていた時はまさか1年後フランスの空の下で同じようなスタイルで描くことになるとは夢にも思ってなかった。

 

涼しい部屋でスケッチしているより33℃の晴天の中で重くて仰々しいハーネスつけながら足場を這い回っている方が心が清々しく感じた。

 

幸いにも制作開始してからしばらくは雨も降らず朝から日が暮れる21時頃まで順調に制作を進められた。

 

 

夜アパートに帰るとチェリーがわざわざピザを焼いてお腹空いた時に食べなさいと持ってきてくれた。優しさが沁みる。

 

 

 

 

 

 

1日の作業の終わりに全体の写真を撮り、夜帰宅後にパソコン上で下絵と比較して明日はどこをどのように描き進めるかを決めてから寝るので常に壁画のことを考えていた。

 

 

アパートとアートセンターの道には昔のお城を使った家がある。今住んでいる人も画家らしい。

 

1日の制作を終えて家へ帰る時この円い姿が見えるとホッとする。薔薇の抜き型の門も素敵。

 

 

壁画制作5日目。通りかかる人達が Super!  C’est bon.  magnifique.など嬉しい言葉をかけてくれて私の作風もこちらの人達に受け入れてもらえているのかな、と安心した。まだまだここから。

 

 

 

 

 

寒色と暖色のバランスが難しく描いては足場から降りて遠くまで離れて様子を見てまた足場を登るという動きを繰り返す。

 

 

 

作業中は背中までぐるりと囲む重量のあるハーネスとヘルメットを装着していて少し移動するごとにカラビナを足場に付け替えて昇り降りするので、暑い日差しの中ではかなり体力を消耗する。

 

 

制作開始から1週間後遂に雨が降り次の日の朝も雨が止まず制作できなかった。アトリエでの作品制作など代わりにやるべき作業はたくさんあるのでそれをすればいいだけなのだけど、それでも気持ちが焦ってしまう。
作業が出来る日数のうちあとどれだけ雨が降るのか考えると不安になる。

 

 

疲れもだいぶ蓄積してきている。フランスに来てから日本食もお米も全く恋しくはならないがアパートはシャワーだけなので湯船だけが恋しくなる。

帰国したらゆっくり湯船に浸かりたい。

 

 

気分転換にノワジエル のマルシェへ1週間分の食材を買いに行く。物珍しい野菜や加工品がたくさんあり面白い。

 

 

名前がよく分からないけど美味しそうだったハード系とflanとcitronケーキを買った。合計8ユーロ。

 

 



制作の合間に地方紙やフリーペーパー、テレビニュースなどの取材も受ける。受け答えは制作と違うエネルギーを使うが記者やインタビュアーの人達は皆さん気さくな人達だった。

 

 

制作の合間に英文の提出書類や資料を作ったりするので現地でのやり取りで精一杯でSNSやブログを書く余裕はなかった。今までのアーティストとしての経験とコミュニケーション能力の総決算な毎日で、自分の限界と可能性、両方を感じて容赦無く揺さぶられる。

 

 


描いては色を重ねてを繰り返しイメージへ近づけていく。壁画の川から空へ変わる部分のマチエールが我ながら夢みたいに美しいなと思った。

 

日没前、壁画左端の白鳥と飛行機雲。
トルシーの空は常に飛行機雲が白糸を引いている。

 

 

壁画完成披露の予定日がどんどん近づいてくる。頭の中のイメージにはまだ少し遠い。もっと粘れる、もっと良くできる。

 

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