イェゲグナゾール村から首都エレバンに帰る帰路で再びノラヴァンク修道院に立ち寄る。
前回立ち寄った時よりも更に空が青く澄みきっていて絶景だった。
ノラヴァンクを出てからアルメニアの詩人ウィルセバクの資料館へ立ち寄る。
左から右へ彼の生まれてから死ぬまでの出来事を暗示したエントランスの壁画。
資料館横のウィルセバクのお墓。
途中の林の中でこの木の実は美味しいよとアルメニアのアーティストがその場で摘んでくれる。ココナッツのような甘くてホロホロとした食感。優しい味がした。
その後首都エレバンへ戻る途中荒野の中にポツンとあるテーブルで昼食。
広大な山々に囲まれ静かな草原の中でアルメニアンコーヒーを沸かして飲んだり、贅沢なピクニックだった。
エレバンへ進んでいくと青く輝くアララト山がはっきりと見えた。
アララト山はノアの箱舟があったとされる様々な伝説がある山で、日本人にとっての富士山の様にアルメニア人にとって特別な山であり(現在はトルコの領地となっている)、また富士山と同じく雲や霞みがかったりしてなかなか綺麗に全貌が見れない山でもある。
この日のアララト山は2つの山頂両方が綺麗に見えて、アルメニアのアーティスト達も喜んでいた。
数時間後エレバンに到着。アルメニアのアーティスト達と別れて共和国広場で行われているバザールを回る。骨董品やアクセサリーなど様々な物が売られていて活気があった。
エレバンに戻った翌日は滞在制作の仕上げに1日費やす。
アルメニアの太陽の下でアララト山に見守られながらの制作。
今回の滞在制作は僅か6日間、しかもその内半数以上はアルメニア内を移動し夜にホテルで制作するというスケジュールだったので、油彩では乾かす時間を取れないことから普段キャンバス作品では使わないアクリル絵具での制作にした。モチーフもザクロを初めて描くことにした。
ザクロはアルメニアではポピュラーな果物であり、古くから豊穣のシンボルとして様々な装飾にモチーフが使われている。
昨年アルメニアに来てお皿いっぱいのザクロの果肉を見て何て綺麗な赤だろうと思った。
慣れないアクリル絵具でこの短期間では普段の油彩の様には描けないけれど、この状況だからこそ描けるものが描けたらいいと思い、作品を搬入するギリギリまで描き込んだ。