ナゴルノ・カラバフ自治区を朝出発しアルメニアに戻る。車で半日かけて南部のイェゲグナゾール村へ。
この3日間アルメニア南部を制作中の作品と共に移動してきたが、雄大な岩山や荒野の景色を見飽きることなくずっと眺めていた。
広大な荒地にふいに一つだけある誰かの墓や何かの石碑、トレーラーハウスや露店などの人の生活の痕跡。
そしておびただしい羊の群れや牛、馬、ロバなどの家畜に鷲などの野生動物。
大地の豊かさと厳しさ、それに寄り添う人の営みを車窓から垣間見た気がした。
この日も3度のヒツジ渋滞に遭遇。
急に道路上に出没する牛達。
立ち寄ったガソリンスタンドをウロウロしていた野犬達。
イェゲグナゾール村に到着しホテルへ行く前に近くで行われている収穫祭に立ち寄る。
民族衣装で伝統的なダンスを踊る子ども達。それにつられて見物客も踊り出す。小さなお祭りだけどとても活気があった。
こちらでは東洋人は珍しいのでこういう場では一緒に写真を撮ってと引っ切り無しに声を掛けられた。
夕食後は夜中まで持参したアクリル作品の制作。
翌朝アルメニア到着初日にディスカッションをしたアルメニアのアーティスト達も合流。みんなでアレニ村のワインフェスティバルへ。
有名なお祭りらしく大規模ですごい人の数だった。ワインもとても種類がありそれぞれ特徴があって美味しかった。
大手ワインメイカーの試飲スペースに地元の人達の露店もたくさん。チーズ、蜂蜜、ハーブにヒマワリ(の種)、手作りのお菓子などが並ぶ。
広場ではェゲグナゾールの収穫祭と同じく伝統的な踊りを大勢の人が円になり踊り、それをさらに大勢の人が眺める。近くの納屋の屋根も見物客でいっぱい。
フェスティバルの後はイェゲグナゾール村に戻り村の小学校の校長先生に学校の美術室を見せてもらう。
子ども達の絵がどれもとても素敵だった。風景画などは風土の違いが垣間見えるけれど、きれい、かわいい、という感覚は日本の子ども達のそれとの差異は特に感じなかった。
その後町のアーティストのアトリエへ伺い作品を拝見しながら少しディスカッションをした。広く綺麗で快適そうなアトリエだった。
ここのアトリエのアーティストも自分の作品について、アーティストとしてどう生きていくかなど非常に真摯な考えを語ってくれた。
この日もイェゲグナゾール村に宿泊。