先週末をもってかがわ・山なみ芸術祭での展示終了しました。ご来場頂きました皆様本当にありがとうございました。

今回の作品作りにご協力頂きました地元の方々、ご尽力頂いた芸術祭実行委員会の皆様、ボランティアの方々、そして芸術祭に関わってくださった全ての方々に心から感謝いたします。

今回の夕焼けと朝焼けの作品を描くきっかけとなったのは昨年フランスで滞在制作をした時に現地のアトリエから見えた燃えるような夕焼けでした。

「トルシーのアトリエからの夕焼け」キャンバスにアクリル絵具 65×86cm 2017

 

壁画以外にも現地で自由制作をすることになり何かここでしか描けないものを描かなくてはと焦り悩んでいた時にスッと心に入ってきたのが1人で眺める雨上がりの夕陽でした。

夕焼けはどの土地でも見れるしこれはどこから見た夕焼けですと言わない限り場所は分かりません。しかしその夕焼けはその時見た人にとっては生涯たった一度のものであること、そしてそれぞれの心の有り様で希望の夕焼けにも絶望の夕焼けにもなり得るということが素直に面白いと思いました。

またその下に街並みなどのシルエットを忠実に描くことで描いた場所を限定できるということにも面白味を感じました。

 

今回の連作では綾川町の夕焼けと朝焼け、岩手県陸前高田市の朝焼け、三重県志摩市の夕焼け、そして場所を特定せずに書いた夕焼けの作品を展示しました。

「Sunset / 綾川」 パネルにアクリル絵の具 91x116cm  2018

綾川町東分から西の方角の空。画面中央右の山は堤山ではないかと推測される。豊かな自然と電線や民家の屋根など里山である綾川の営みがよく分かるシルエットを描くことができました。

 

「Sunrise / 綾川」 パネルにアクリル絵の具 91x116cm  2018

綾川町枌所から東の方角の空。夕焼けよりも優しい色合いになるよう意識し枌所の静かな朝をイメージして制作しました。

 

綾川町へは搬入の2日前に到着しましたが到着後も泊めて頂いた地元の方のお宅にて持参した画材一部の作品を搬入ギリギリまで仕上げをしていました。この作品は三重県志摩市に旅行に行った際に撮影した写真を元に2007年に制作したものを今回の展示に合わせて加筆しました。昔の作品への加筆作業は当時のことを思い出したり自分の変化や成長を感じたり不思議な感覚になります。

 

「Sunset / 志摩 (Burnt Field)」キャンバスにアクリル絵の具  65×91cm  2007

 

この作品は岩手県陸前高田市の方が撮影した朝焼けを元に制作しました。陸前高田市は東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた街で、2012年に2ヶ月間滞在し地元の方々と交流しながら現地で壁画を制作しました。

その後もふらっと遊びに行き続け地域の復興を陰ながら見守っている思い入れ深い街です。

 

「Sunrise / 陸前高田」パネルにアクリル絵の具  53x65cm  2018

 

こちらの作品は2007年に制作した夕焼けの作品で場所は特定せず自分のイメージの中の燃 えるような夕焼け曇を表現したものです。

「Sunset / 不明」 キャンバスに油彩 116x91cm  2007

 

 

展示会場にて行われた地域の方と芸術祭アーティストによるライブイベント。満員御礼だったようです。

 

月刊香川こまち11月号 アート情報面にて山なみ芸術祭が紹介され前回の芸術祭で制作した私の壁画も紹介して頂きました。

 

 

芸術祭アートクラフト部門のクラフトフェア「そぎもーる」にて今回展示している綾川町の夕焼け・朝焼けの作品と金魚作品のマスキングテープを出展作家ブースで販売しました。このフェア限定のモノとして実験的に作りましたが予想以上に反響があり嬉しい驚きでした。

「アートクラフトフェア そぎもーる」
11月23日(金・祝)・24日(土)・25日(日)
9:00〜16:00(23日は10:00〜)
会場:MONOHOUSE(旧枌所小学校)とその周辺
http://www.monohouse.org/yamanami/craft/index.html

 

この機会がなければ作ることができなかったと思える作品に挑戦できることは芸術祭の醍醐味で、前回の喫茶リーフの壁画もまさにそれでした。あれから2年後また芸術祭に関わりこの場だからこその作品を発表でき嬉しかったです。

どうもありがとうございました。