1月9日から15日まで大阪ワイアートギャラリーで開催した2人展『Your Blue, My Red 藤本絢子 船戸あやこ展』では多くの方にお越し頂き、そして作品をご購入頂き本当にありがとうございました。

 

 

 

新しいことに取り組む機会を頂けて、それを観に来てくれる人がいて、そしてそれを買いたいと思ってくれる人がいる。それはなんて幸せなことなのだろうと改めて思いました。

 

この2人展は私が兼ねてから赤と青をテーマにした展示をしてみたかったことを昨年ギャラリーの方にお話した際に、「青い作品を作る方でどなたか良い作家さんいますか?」と尋ねられ、そこで4年前に一度グループ展でご一緒した船戸さんの陶芸作品の“温かい青”を思い出し、恐縮ながらご紹介させて頂いたことが始まりでした。

 

船戸あやこ ウェブサイト http://www.ne.jp/asahi/funatoayako/spain

 

タイル作品から食器、可愛いオブジェなど幅広く制作されていて、両掌に収まるサイズの作品も細やかな中に小さな宇宙を感じる存在感があります。是非関西の方にも船戸さんの陶芸作品を観てもらいたいと思いました。

 

 

 

 

 

今回船戸さんとのコラボレーション展示をした抽象画の連作は、実は7年前に制作した2mのキャンバス作品を切り分け張り直して制作したものでした。

 

 

 

『Melt in Cadmium』キャンバスに油彩  162×194cm  2010年

 

どうすれば船戸さんのタイル作品と響き合う赤の画面ができるか、ギリギリまで悩み考え、そういえば倉庫に昔描いたきり良いのか良くないのか分からないまま閉まっていた金魚があったと思い出し、数年振りに改めて出して観ると、決して悪い作品ではないし寧ろ面白いと思いました。

でもこのアイデアを試せるのは今しかないしやってみたいという気持ちが勝り、切り取るサイズの型を画面上に這わして面白い表情を探し出し、意を決してキャンバスにハサミを入れました。

 

 

 

数枚切り出し新しい木枠に張り直したものを観て、これはイケる。と自信を持てたらその後はどんどん切り出していき、展示予定数を切り終わってからもまだまだ面白い表情の箇所が残っていたので急遽0号とサムホールのサイズも作り、計27作品が新たに生まれました。

 

 

今までの具象的な金魚作品が好きだった人にはあまり響かないかもしれないが、今だからこそこういう変化球も投げたい、という気持ちに素直に楽しく作れた連作です。
そして予想よりも面白いと言ってくださる方が多かったので素直に嬉しかったです。

 

 

 

ギャラリー外側の窓辺に展示していたこの作品も10年前に描いたきりずっと眠っていた作品です。

 

『Finale』キャンバスに油彩  117×91cm  2007年

まだ自分が何を描きたいのか分からず、周りの優秀な同期達への劣等感と焦りで鬱々としていた京都市立芸大生時代。

 

この夕焼け雲の作品も描いた当時は自分のオリジナリティが見いだせず自信を持てないまましまっていたですが、今回の展示のために自分の色彩のルーツを見返そうと倉庫奥の過去作達を出してみると、この作品も拙いながらも今の作品に繫がるものがあるなと、今回の展覧会だったら出す意義があるなと思えたので展示することにしました。
自分の過去作を客観的に扱うことで自分はこういう色味や表情に反応するのだなと改めて顧みる機会にもなったので、これは今後の制作にも反映されると思います。

 

 

在廊中は常に赤い服を着ていました。

 

 

オープニングパーティーにて船戸さんと。赤い着物に夜桜の作品をプリントした帯を合わせました。

 

 

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