3月の個展で発表した新作の平面作品2点について解説したいと思います。

 

Meridian Scenery

パネルにアクリル絵の具 50x60cm 2020

タイトルは「最高潮の光景」という意味です。3年前フランスに滞在制作した時にアトリエから見えた夕焼けがとても綺麗で、当時も現地の画材を使い大きなキャンバスに描き上げましたが今年再び写真を元に当時を振り返りながら制作しました。

街のシルエットを拡大し細かく描いているうちに街角で見た何気ない景色や音、匂い、日差しなど忘れていた記憶の断片がポロポロと蘇ってきました。

滞在中はそれまでの人生の中で最も体と頭を駆使した濃密な時間を過ごしていて、人生の中の若さのピークの一つだったように思います。

今よりも圧倒的に心身が自由だった頃を懐かしみつつ、またこれからもこんな風に人生の最高潮だと思えるような光景に何度でも出会えるように生きていきたい、という思いを込めて描きました。

こちらの作品は下記リンクの白白庵オンラインショップで購入することができます。是非ご覧ください。

https://pakupakuan.shop/collections/藤本絢子紅爐一点雪/products/藤本絢子-meridian-scenery-fmapn028

 

 

Granite24×32cm 紙に水彩 2020

昨年民家の庭から熟れ落ちて道に転がるザクロに出会い、潰れしぼみ朽ちていく様に何とも言えない美しさを感じました。

 

ザクロを初めて美しいと思ったのは5年前アルメニア共和国へ展示しに行った時、現地アーティストのアトリエへ招かれると机のお皿いっぱいにもてなしの果物が盛られていました。

 

その中に大きなザクロが切り分け並べられていて果肉の一粒ずつがまさにガーネットのように綺麗で、日本で見るザクロとはまるで違って見えました。

 

 

ザクロはアルメニアのシンボルの一つで豊穣の意味があり親しまれています。

今も柘榴をみるとアルメニアで見た美しい風景や人々を思い出します。

 

こちらの作品は下記リンクの白白庵オンラインショップで購入することができます。是非ご覧ください。

https://pakupakuan.shop/collections/藤本絢子紅爐一点雪/products/藤本絢子-granite-fmapn020