個展「紅爐一点雪」のコンセプトと新作について解説していきたいと思います。

まずここでは今回の個展のタイトルとコンセプトについて。

「紅爐一点雪」こうろいってんのゆき とは禅の言葉で、

紅炉に置いた雪がたちまちとけてしまうように、私欲や迷いなどがすっかりとけてしまうこと。(出典:デジタル大辞泉/小学館)

火の上に一点の雪を置くとすぐにとけるように、私欲・迷いなどがとけること。(出典:大辞林/三省堂

とあり、死という抗えないものへの恐れをなくし受け入れる心境とも解釈されることがあります。

時期的にも四月の頃の禅語とされており熱情ほとばしる藤本さんの作品にピッタリではないか、と白白庵ディレクターの石橋さんが提案してくださり、私も色々な雑念を越えて自分の中の赤い色彩の表現に没頭しようとする今の自分に合う言葉だなと思い個展のタイトルに決めました。

 

個展DMを郵送する一コマ。ステイトメントの「どろり めらり 焦がしつつ 生きている」という言葉も私が表現したい言語化しにくかった感覚をとても簡潔かつ明確に表してくださりました。

 

この個展では今までの金魚、椿、りんご飴などの作品群とこの個展で新たに挑戦した木工作品やフランス滞在制作以降描き始めた夕焼け朝焼けの作品など、今までとこれからの作品が揃うものにしました。

 

作品陳列は全てお任せしましたが白白庵の広い吹き抜けに浮かび上がるりんご飴などとても格好良く展示してくださり、他の場所で展示した時とは違う新たな表情を再提示することができました。

 

この個展で展示した新旧作品は今月からスタートした白白庵オンラインショップで購入することができます。作品ごとに詳細な画像が掲載されていますので是非ご覧ください。

 

白白庵オンラインショップ https://pakupakuan.shop